良い絵とは-久しぶりの京都

Diary

秋晴れになった週末。

昨日は久しぶりに一人で京都に行くことができました。

目的は沢山あって、京セラ美術館で行われている『竹内栖鳳展』、山本雄教くんの展示、創画会、そして母校の京都芸術大学(京都造形芸大)で行われている恩師木村克朗先生の大規模個展。

夢のような半日でした。

竹内栖鳳展から回ったのですが、じっくり見てたら後ろの予定が押すほど、本当に素晴らしい作品群でした。一部撮影可の作品も。

圧倒的な筆致…思うままに筆を操る技術。昔菅原健彦先生が「スケッチも筆で描く方が良さそうだ」とおっしゃっていたことを思い出していました。

明治、大正期はもちろんスケッチも筆でされていますが、昭和期に入ると栖鳳先生も鉛筆を使用されていたり、その辺りの時代の変化も感じられ、また昭和期には海外視察に行って制作されており、その頃の作品には写生に加えて現地で撮ってきた写真も参考にされているということで、時代の変化も柔軟に取り入れて精進されている姿勢にも感銘を受けました。

私は本当に運良く日本画と出会って良かったなと思います。見ていて、やっていて心躍ることがある。幸せもんだなと会場を出て思いました。

創画会の会場に入ると、現代の日本画家達の作品群。良い絵だな(好きだな)と思う作品が沢山あり、鑑賞していると、たまたま真剣に作品を鑑賞している池庄司先生らしき方を発見。ちょっと遠目からお名前を小声で呼んでみて、振り返られてホッとしました。久しぶりに池庄司飲み会の計画を立てることになりました。

その後雄教くんの展示。竹内栖鳳展や創画会は様々な作品が並ぶ展示とはまた違い、一つの空間の形成。はっきり言い切る強さは流石だなぁと。また若い方が写真を撮っておられて、このオープンな空間の良さもとても良かったです。

そして急いで母校へ。久しぶりに守衛のおっちゃんに挨拶して、木村克朗先生の展示へ。ミロのビーナスデッサン大会も行われていて人が沢山!木村先生も在廊されていて、変わらない素敵な笑顔で迎えてくれました。見たらすぐ分かるなと言われて、随分と大人になった気持ちで久しぶりの大学を闊歩していたのですが、変わっていなかったようです。笑

竹内栖鳳も写生を重視しているという主軸の展示だったのですが、木村先生もまたデッサンを主軸に置いた展示をされていました。感動し過ぎて途中大作の真ん中に立ち尽くしました。圧倒的なパワーに飲み込まれて、また先生の美しい線に魅了されて、込み上げるものがありました。

生きるって素晴らしい。

そんな風に思わせてくれる展示って何でしょう。パワースポット!?とにかく圧倒的で、長い画業の中で瞬間瞬間を生きてこられたのだと感じ、生温く生きてんじゃない!と自分自身に喝を入れて帰路に着きました。

自分の琴線に触れるとか、好きだなと思うとか、何が要因でそう思うのか?あぁこれは良い絵だ。そう思う作品があって、一体自分は何でそれを「良い」と思うんだろう。全く言葉じゃ伝わらないかもしれないですが、作者の心が乗っていて、鑑賞者がそれをキャッチできたら、良い!と思うのではないかなと。心が開いていないと、良い!と思えないのではないかなと。

溺れるように良い絵に沢山会い、感覚が解放される経験。心を開いて魂で描くんだ。そんな気持ちになれた週末。これが私にとって芸術が本当に素晴らしいと感じること。

帰り道、学生時代のバイト先に寄り、奥さんに抱きしめてもらい、2月に個展をするギャラリー恵風さんにも寄り、私は京都で沢山の出会いを得たんだなぁと、改めて有難く思いました。

奈良に帰って夕ご飯は近所のラーメン屋さんへ。こんな日常も有難いなぁ。気持ち良く、今日も朝の制作に取り掛かります!

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